先日アップしたブログ記事(「空室対策の第一歩はまず愛される空間にしよう」)のヤブモトビルの改装計画ですが、無事に工事がほぼ完成しました。
今回のテーマは「迎え入れる優しさ」です。
個人的に好き嫌い等の主観は関係なく、そこに訪れる人や入居者を獲得することが目的のコンセプトですので、シュッとしてなくていいんです。ただそこにビルがあり、温もりを感じることが重要なんです。
■エントランスの外観。
今までは無機質の素材が強かったので、ガラス1枚ものの建具は外して、木枠の建具に入れ替えました。そして、外壁に案内看板を設置。実は今まで案内看板がエントランス内にあって、来訪者にとって分かりにくい感じでした。
またオーナーさんの塾業は張り紙広告が多いので、それがキレイに貼れるようなボードを作成。案内看板もボードも教室を意識して黒板風をイメージ。
あと夜がすごく暗かったので、オーナーさんからの要望があり、外部に3カ所照明を追加と軒下の錆びついた照明を交換して、夜子供たちが安心して帰れる明るさに。
■エントランス
以前は中に入ると無造作の置かれた看板とボロボロのメールボックス。今回はエントランス内に小さな倉庫を作成。そこに営業外の看板を終える様にして、エントランスをキレイに整頓しました。
またメールボックスも新調してキレイに陳列。
色合いもモノトーンではなく、少し温かみが出るように配色。塾に来た子供たちが安心できるような、落ち着く空間を意識しました。
■エレベーター前
倉庫を造作したので、少し狭くなりました。それでも十分通れる幅を確保して、エレベーター扉や階段も外観に合わせて全て貼り換えました。
■各階共有廊下
廊下は、扉とエレベーターの色がバラバラで全体に暗かったので、全体を白に塗り直して
床と扉をグレー系にベージュを合わせました。また照明も蛍光灯から柔らかい色合いに変更。
■細部
今回はまずビルのロゴを新たに作成。そして大きな看板を作ることで、ビル内のテナントを外部に発信したり、ドアノブを少し個性的(実はコロナ対策も兼ねたドアノブ)にして、存在感と好感(愛情)を持てることを意識しました。
■工事は誰のため?
工事中は、入り口の動線がかなり制限されてビルのテナントさん営業に支障が少なからずご負担お掛けしました。色々ご意見を覚悟の工事でしたが、工事中も来訪者やテナントさんからすごく感謝されたのが印象的でした。古びたれた、誰からも認識がされなくなった空間がキレイになり、ビル内の人間に笑顔が見れたのは「本当に工事してよかったな」と感じれました。
空間を格好良くする工事、他には無い唯一無二の空間を作る工事やできるだけ短時間で効率よく仕上げる工事等色々ありますが、工事はデザインしたものを現実にするためのものではなく、そこを利用する人を幸せに、笑顔にすることが一番大事なんだと感じました。デザインもそれと同じだと思います。格好良くても人を笑顔にしなくては意味がない。
■裏テーマ
そして裏テーマだった、ビルのオーナー様に「自分のビルをもう一回愛してもらいたい」ですが、工事が進むにつれて今まで気にもしなかったビルの些細なことも気にし始めてくれました。そして何よりも自ら「ビル共有部内に貼りものをすべて無くそう」と今まで自己事業やテナントさんが色々貼ってあったものを全部取ってしまう決心まで自らの意思で決められたのは、「自分の物件に愛情が芽生えた」証だと感じました。
工事完成後、何度か現地に案内で行っていますが、近所の方が建物まで近づいて看板を見に立ち止まる光景を目にします。「忘れられた空間」から「認識」はもちろんのこと、「興味」を持たれるようになり、うれしい限りです。
■工事概要
ヤブモトビルリノベ工事
デザイン:人と不動産 &DAYS DESIGN
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