
2月11日、奈良県吉野町竜門地区にて『未来の農村ライフを体験しよう!』が開催されました。寒さの厳しい季節でしたが、快晴に恵まれ、澄んだ空気の中で40名を超える参加者が集まりました。子供たちの姿も多く見られ、地元の方々も多数参加し、賑やかな雰囲気の中での開催となりました。
午前の部:畑見学&地元食材の調理
参加者は2つのグループに分かれ、1つは近隣の畑を見学し、地元の農家さんから農作業や地域の暮らしについて学びました。特に、大根の引き抜き体験や椎茸農園での収穫は、子供たちにも大人気。実際に土に触れ、農作業の一端を体験する貴重な時間となりました。
もう1つのグループは、地元の食材を使った調理を担当。参加者みんなで手分けして、野菜を洗ったり切ったり、米を研ぎ、火を起こすなど、協力しながら準備しました。
献立は、
吉野産ヒノヒカリ米のおにぎり
吉野の猪肉と地元畑で採れた冬野菜、農家さん自家製の赤味噌を使った猪汁
もぎたて椎茸の炭火焼き
吉野のキウイ
さらに、ウクライナ人参加者によるボルシチも振る舞われ、国際色豊かな食卓となりました。
ランチタイム:自然の恵みを味わう
出来立ての料理をみんなで囲みながら、農村ならではの温かい食事を堪能しました。
猪汁は、農家さんが3年熟成させた自家製赤味噌の風味が格別で、深いコクが広がる逸品。農家さんの育てた味の濃い野菜からも美味しい出汁が出て、旨味がぎゅっと凝縮されていました。さらに、新鮮な猪肉は臭みがなく、脂身のコリコリとした弾力が楽しめ、おかわりが続出。大鍋3個分も仕込んだにもかかわらず、最後には大人たちがキッチンで鍋を囲みながら食べるほどの人気ぶりでした。
お米は、冷めても美味しい吉野産ヒノヒカリ米のおにぎり。参加者の中には、七輪で焼きおにぎりにアレンジする方もいて、香ばしい香りが広がる楽しいひとときになりました。
デザートには吉野のキウイを提供。昨年の初冬に収穫し、倉庫で熟成させていたため、ちょうど食べ頃で柔らかく、甘みも濃厚。自然の力を活かした贅沢な味わいに、皆さん大満足の様子でした。
午後の部:交流ワークショップ&プチ野菜マルシェ
午後は、地元の方々との交流ワークショップが行われ、町長さん、副地区長さん、町議会議員さん、兼業農家さんなども加わり、本音の意見交換が実現。「農業一本で生きていけるのか?」という率直な質問に対し、「農業だけでは生きていけない」といったリアルな声が聞かれました。
一方で、兼業農家さんからは「他の仕事では得られない健康とストレスフリーな生活が実現できる」というポジティブな意見もあり、農業の魅力と課題が率直に語られる場となりました。
まちづくりの未来とこの地域の可能性
都心とは真逆に澄んだ空気、素晴らしい風景、魅力のある空間が広がるこの地域。まちづくりとしてこの魅力を維持しながら、過疎化する人口、空き家、休耕地を再生するために、地域の機能を残しながら新しい人を迎え入れる仕組みが求められています。地元の人たちと外部の新しい世代の融合、地域内経済の確立など、課題は多いものの、この問題はここに限ったことではありません。
しかし、今回のイベントの参加人数を考えれば、決して悲観する必要はなく、新しい視点で大胆に考える楽しさもあります。普通にやるだけでは解決が難しい問題ですが、こうしたイベントを通して地域の可能性を感じ、参加者自身が勇気をもらえる機会になりました。
最後に、地元の兼業農家さんによるプチ野菜マルシェが開催されました。新鮮な野菜を手に取る参加者たちの表情は嬉しそうで、あっという間に売り切れる品も続出。大阪市内や遠方から訪れた方も多く、この村の持つ求心力の高さが改めて感じられるイベントとなりました。参加された皆様、遠方から本当にありがとうございました。

次回のイベントもお楽しみに!
4月になれば少し暖かくなり、さらに楽しめるアクティビティを現在企画中。次回の詳細が決まり次第、告知していきますので、ぜひチェックしてください!
またお会いできるのを楽しみにしています!
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